私も腰痛に苦しんだ

私も腰痛に苦しんだ

整形外科医としては面目のない話ですが、私は二十歳のときから四度、ギックリ腰を経験してきました。

研修医時代に襲われた三度目のギックリ腰は特に悲惨で、回診車をシルバーカーのようにして押しながら、病棟を回ったという苦い思い出があります。鎮痛薬を飲んでも腰痛は引かず、いやというほど整形外科医としての無力感を味わいました。 

その五年後、四度目のギックリ腰に襲われたときは、大学院で腰痛の研究をしているときでした。さまざまな腰痛や関節痛の治療法を試しましたが、正しい姿勢を身につけて運動療法を試した結果、激痛でじっと座っているだけでもつらかったのがわずか数日で解消したときは驚嘆しました。

それから10年近く、ギックリ腰は一度も再発していません。

腰痛や関節痛と決別

この経験からリハビリテーションを治療の中心に据えたクリニックを開設しました。初めて来院する患者さんは驚きますが、整形外科クリニックとしては珍しく当院には、牽引治療や通電治療、温熱治療を行う医療機器は一台もありません。代わりにセラピストが、患者さん一人ひとりに合った、オーダーメードの姿勢や体操の方法を丁寧に指導しているのです。 
当院では、痛みを抑えるだけの薬の処方やブロック注射(神経の周囲に麻酔薬を注射する治療法)は必要最低限しか行いません。にもかかわらず、姿勢や体操の指導を受けて帰宅するころには、腰痛や関節痛が劇的に改善しているので、驚く患者さんが大勢います。そして、自宅でも体操を続けてもらった結果、長年悩んできた腰痛や関節痛とついに決別でき、手術を避けることができた患者さんもいらっしゃいます。一人でも多くの人にリハビリテーションを試してもらい、その驚異的な効果を体験してほしいと思います。

腰痛や関節痛は国民病

年を取るほど、腰痛・ひざ痛・首の痛み・肩こり・股関節痛など背骨や関節の痛みに悩む人が多くなるものですが、中高年ばかりでなく若い世代にも、腰痛や関節痛を訴える人はたくさんいます。中でも特に多いのが腰痛で、厚生労働省が2004年に発表した「国民生活調査」を見ても、日本人が訴える不快症状のうち、腰痛は男性で第1位、女性で第2位(第1位は肩こり)を占めています。65歳以上の年代に限って見ると、男女とも第1位は腰痛で、第2位が手足の関節痛、女性の第3位が肩こりとなっています。また、45歳以上の10人に1人、75歳以上の5人に1人は腰痛持ちという報告もあり、国民病といわざるをえません。 
整形外科や治療院に何ヵ月あるいは何年と辛抱強く通ってもなかなか良くならない・・・そんな人があなたの身近にもいるのではないでしょうか。腰痛や関節痛の苦しみは、経験した人でなければわかりません。つらさを訴えても「年だからしかたがない」といわれ、家族や友人に相談してもまともに取り合ってもらえず不安な気分で毎日を過ごす・・・腰痛や関節痛で悩む患者さんには、人知れず悩んでいる人が実は大勢いるようです。 

国民生活調査
(下の画像をクリックで厚生労働省のページに移ります)

今までの治療法では治らない

最もありふれた病気である腰痛や関節痛に対し、現代医学はあまりにも無力といわざるをえません。近年の手術技術の進歩には目覚ましいものがあり、ひと昔前までは相当に難しかった背骨や関節の手術も、今では比較的容易に行えるようになりました。手術による患者さんの負担は格段に減り、安全性も精度も飛躍的に高まりました。しかし、腰痛や関節痛で手術の対象になるのは、全体から見ればごく一部にすぎません。大部分の腰痛や関節痛には、保存療法(手術以外の治療法)で対処することになります。 
保存療法に目を向けてみると、湿布薬や鎮痛薬で痛みを和らげ、強い痛みに対してはブロック注射(神経の周囲に麻酔薬を注射する方法)を行い、牽引治療や通電治療、温熱治療がくり返されます。これら従来の保存療法はいずれも、対症療法(症状を抑える治療法)であって根治療法ではないのです。腰や関節の激痛に長年苦しんでいる人なら、この実情を痛いほど実感していることと思います。

痛みの根治療法

では、腰痛や関節痛に悩んでいる人は、打つ手が本当にないのでしょうか。そんなことはありません。私は一人の整形外科医として、従来からある保存療法に疑問を持ち、効果の薄い治療をただ漫然と続けるべきではないと考えていました。大学院では腰痛の分子生物学的基礎研究を行いましたが、薬剤の腰痛に対する効果に限界を感じました。そこでリハビリテーション専門医になり、腰痛や関節痛の根治療法を長年探し求めてきましたが、その末に行き着いたのが運動療法でした。運動療法には、特別な薬や道具は必要ありません。ただ、ある法則にしたがって自分で運動をおこない、姿勢や日常生活での動作を改善させるだけでいいのです。傷んだ関節の機能を回復し、腰痛や関節痛が劇的に軽減することが、自分の力でできるのです。

関節の機能を取り戻す

従来、整形外科で指導される運動療法といえば、一般に、痛みがある関節の周囲の筋肉を鍛えて、傷んだり衰えたりした関節の機能を補完する目的で行われるものがほとんどでした。もちろん、これで腰痛や関節痛が治ればそれに越したことはありません。ところが、筋骨隆々としたスポーツ選手でさえ腰痛や関節痛を抱えていることでもわかるように、関節の周囲の筋肉をいくら強化しても、関節そのものを治さなくては痛みがよくなるはずはないのです。これまでみなさんが苦労を重ねて腹筋や背筋のトレーニングに取り組んでも、腰痛や関節痛がよくならなかった理由がおわかりいただけたのではないでしょうか。 
当院のリハビリテーションは、痛みがある関節そのものに直接的かつ能動的に働きかけて、傷んだり衰えたりした関節の機能を取り戻していきます。関節の微妙なズレを修整し、失われた関節の可動域(動かせる範囲)を取り戻し、痛みを取り除いていきます。

安静よりも動かす

従来はともすると、痛みがある関節を動かすのは良くないと信じられてきました。確かに痛みが激しい急性期であれば関節を安静に保つべきかもしれません。しかし、関節の炎症やはれが引いたら、関節はできるだけ早いうちから積極的に動かしたほうがいいのです。というのも、関節を動かさないでいると、可動域がどんどん失われて関節の機能低下が著しくなり、痛み自体も悪化する一方になってしまうからです。 
では、どうすればいいかといえば、リハビリテーションで関節の可動域と機能を取り戻してやればいいのです。当院でリハビリテーションを指導して実行した多くの患者さんは、腰痛はもちろん体のあらゆる部位の関節痛を回復させています。私もその回復ぶりを日々目の当たりにするたびに、関節そのものをよく動かすことの重要性を痛感させられます。実際に、リハビリテーションを適切に行うと、ギックリ腰のほか、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、ひじやひざの痛みと決別できる患者さんもたくさんいます。

お茶の水整形外科からのお知らせ
2017/05/15
院長が水前寺清子情報館「自分で治せる!ひざ痛の予防・解消法」(BSフジ)に出演しました。
2017/05/15
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